上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- --/--/--(--) --:--:--|
- スポンサー広告
-
-
カカオハンター の チョコレート テイスティングクラス博多阪急で開催された
カカオハンターの小方さんと、チョコレートソムリエの札谷さんによる
テイスティングのイベントに参加しました。
開催場所は博多阪急地下のスイーツ・惣菜売り場の一角にある
キッチン併設のラボ「うまか研究所」
1時間ほどの講義で、チョコレートのテイスティングについて学びました。
講義は下記3つの順に学んでいきました。
①テイスティングの方法
②実食
③カカオの歴史
それでは、それぞれの内容を詳しく解説していきます。
①テイスティングの方法少しずつ口の中で舐め溶かしていきながら
「味」と「香り」を2つの要素に分けて判別する。
時には両方の要素を組み合わせながらチョコレートを感じる。
酸味を見つけたら、どのフルーツの香りか探し
苦味を見つけたらどんなナッツの香りか探すのがコツ。舌で感じる味は3つに分けて判別する・酸味・・・舌の横
・苦味・・・舌の奥
・渋味・・・舌で感じる刺激
鼻で感じる香りは7つに分けて判別する・カカオ/チョコレート
・フルーツ(フレッシュ/ドライの2種ある)
・フローラル
・ナッツ
・スパイス
・ウッディー
・スイート
*バニラは後に人工的に添加された香料の場合が多いが、
カカオ豆自体が天然でそのような香りの要素を持つこともある。
その場合、カテゴリ的にはスイートに分類される。
ちなみにカカオには500種類以上の香りがあり
水溶性と脂溶性のものがある。
香りをより強く感じたい時は、鼻腔に近い上顎の奥らへんに
チョコレートを持っていき溶かすと良い。
②実食今回食べたのは3種類
・コンゴ(オリジナルビーンズ/写真手前)
・ジャワ(アケッソンズ/写真奥左)
・コロンビア(カカオハンター/写真奥右)
強烈にドライで渋味のあるコンゴ
酸味がありナッツの雰囲気もあるジャワ
柔らかくフルーティーなコロンビア
どれも個性が異なり、対比が面白い3種類でした。
③チョコレートの歴史日本に入ってくる70%近いカカオはガーナ(アフリカ)のもの。
なので日本人にとって馴染みのあるチョコレートの香りは
ガーナのカカオ豆の香りである。
そんな背景もあり、チョコレート=アフリカ原産と思いがちだが、
実はもともとは中南米の植物である。マヤ・アステカ文明が栄えた時代から
すでにカカオは存在しており
スペイン経由でヨーロッパに広がった後
産業革命を経てチョコレートは大量生産されるようになった。
ヨーロッパに来た当初のカカオは
クリオロと呼ばれる品種だったが
大量生産にともない植民地(フェルナンドポー・サントメ)での栽培が始まり
ガーナ・コートジボワールなどアフリカに渡ると
生産性の良い
フォラステロという品種に切り替わっていった。
同時に、クリオロより病気に強いが香りが弱いという
フォラステロの欠点を埋めるためにミルクチョコレートが開発された。国によって定番となる(需要のある)チョコレートは異なり
例えばどこの国の植民地であったかで、栽培される豆の香りが違ったりもする。
カカオはロマンであり、人間の旅そのものと言える。④その他Bean to bar のチョコレートは誰が作るかで個性が変わってくる。
まさに作り手の哲学そのものである。(小方さんが)コロンビアに行った理由は
カカオの品種が多いから。
ここなら「これだ!」と思うカカオに巡り会えると感じた。
勿論、現地の人々に貢献したい気持ちもある。
例えばアルアコ族が住む地域では貴重なカカオが育っているが
彼らはチョコレートを知らなかったし、カカオの価値も知らなかった。
当時その地域に入るために、生肉やイモをお土産にしていたが
今では、彼らもチョコレートを認識し、チョコレートが欲しいと言ってくれるようになった。
カカオの価値を共有することは
現地の生活レベルの向上にも繋がるし、種の保存という意味でも大きな意味がある。感想うめだ阪急、博多阪急の小方さんのイベントに参加して感じたことは
彼女はカカオの選別だけでなく
チョコレート製造のプロフェッショナルでもある、ということです。それぞれ特性の異なるカカオを
どのように加工すれば
自分の作りたい味になるか熟知しているのです。
カカオハンターのチョコレートに
どんな人にでも受け入れられやすい上質さがあるのも
きっとそのような理由からだと思います。
ちなみに、チョコに渋味を少し残すのがエロス、なんだそうです。
カカオハンターのチョコレートに限らず、
たまにチョコレートを食べて紫色の感じが浮かんで
セクシーだ!とか官能的だ!と表現していましたが・・・
色気の正体は、ちょっとだけ感じる渋味だったのか!とひらめきました。
ちなみに大阪、博多での講義では
農園の方に作ってもらったという2連のカカオ豆ネックレス
茶色いカカオハンターTシャツ&デニムにブーツ
というカッコいい!そしてセクシー!な出で立ちでした。
山に分け入ってカカオを探すワイルドさ
複雑な判断が求められる製造現場での
細やかさ、しなやかさ、そして遊び心スーパーウーマンな小方さんのファンになりました!
カカオ豆やチョコレートの審査員もなさっている小方さん。
どうすればテイスティングが上達するか、講義後に個人的に質問してみました。
まずはたくさんの種類のカカオ豆とチョコレートを食べること。
そして、ジャンルを問わずいろいろなものを食べて感性を磨くこと。が大切だと教えて下さいました。
またワインや香水に関する知識もお持ちであるとのことです。
DOMORIのジャンルーカさんもそうですが
カカオをハンティングする人たちは
本当に感性豊かだと感じます。
いつか彼らと同じ視点でカカオを感じられるような人間になりたい!!
これからもチョコ活動、頑張ろうと思います。
過去記事1 カカオ豆(シエラネバダ産)
http://voyageurdechocolat.blog.fc2.com/blog-entry-438.html過去記事2 カカオの学校(講座内容まとめ)
http://voyageurdechocolat.blog.fc2.com/blog-entry-468.htmlカカオハンター
http://cafecacao.co/
スポンサーサイト
- 2015/02/06(金) 06:44:46|
- 講座・イベント
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
カカオハンター の 「カカオの学校」<3> 特別授業うめだ阪急で1月末から2月中旬にかけて開催されている
カカオハンター小方さんを講師に招いたイベント講座 「カカオの学校」
17回にわたってカカオを多角的に学ぶことができる
チョコ好き必聴の講座です。
その第3回目、ラボラトリーエディション#2の解説編に参加しましたので
内容を詳しくご紹介していきます。
そもそもラボラトリーエディション#2とは何か?
小方さんの携わっている農園では
種類ごとに選別された豆は、系統ごとに名前をつけて管理されますが
すべてが種類ごとに出荷されているわけではありません。
例えば収穫量が少ないカカオ豆(1袋50kg程度)は
良質な品種でもブレンドして使用せざるを得ないのです。
せっかく質が良いのにブレンドして個性が失われるのはもったいない!!じゃあ、その豆を使ったチョコを少量限定で生産しシリーズ化してみよう!
ということで作られた製品がラボラトリーエディション(研究所限定版)です。
#1は日本では未入荷(フランスで販売された模様)
今回の#2も販売数300枚!
うめはん(梅田阪急)で販売され、数日経たず既に完売した模様。
大阪でのみ入手可能だった幻の一品です。
それでは授業の内容を解説していきます。
授業の流れは
①チョコを食べて
②豆を見て、においを比べる
③ニブを食べて
④豆を裁断し、その場で挽いたものを食べるという感じです。
チョコ製造の工程を辿りながら
各時点や品種による香りや味の違いを知ることが出来る画期的な内容です。
順番に解説していきます。
①チョコを食べるラボラトリーエディション#2(72%)と
同じ地域で収穫された豆のチョコ「アラウカ70%」を食べ比べます。
実はどちらもアラウカ地方の豆!ですが
品種系統・発酵方法・コンチング時間(#2は通常品より20時間長い)
が異なるとのこと。
#2は全体的に優しく落ち着いた印象で、ナッツとほんのり花のような香りが漂います。
アラウカはピリっと爽やかな酸味で、フルーティながら強いインパクトが残ります。
(詳しくは後日、個別に商品の感想をアップします。)
同じ地域でとれた豆で作られたチョコなのに、香りも味も対照的!使用されるカカオ豆の品種や製法で、チョコの印象がだいぶ違うことが分かります。
②豆を見て、においを比べる豆は全部で3種類ありました。
「#2」に使用されている2種類(T2、A5)と
「アラウカ」に使用されている豆です。
ちなみに#2の正式名称は「TA25」
T・・・2 甘い香りのカカオ、油分多め
A・・・5 ナッツの香りが主体で、花の香りもするカカオ、油分少なめ
(・・・に入る記号・数字の詳細は企業秘密)
上記2種類の豆を綿密な計算のもとにブレンドしたもの、ということです。一方「アラウカ」の豆は、黄色いすっぱいフルーツの感じがブワっとくる強烈な香りでした。
豆の時点で既に香りは大きく違う・・・
さらに油脂量も異なるという事実にも、興味がそそられますね。
みんな違って、みんな良い!カカオはとても神秘的です。
上記のあやしいアルファベットと数字についてですが
カカオ豆は保管する際に
コレクションと呼ばれる「名前+番号」をつけるそう。
CCN-51 は エクアドルの配合種
ICS-95 は トリニダードトバコのトリニタリオ種
など、プロなら一発でどんな系統の物か判別できるようになっているようです。
本気でカカオ図鑑が欲しくなってきました!
③ニブを食べる小さく潰されたカカオ豆=ニブを食べます。
これ意味あるの?って思う人もいるかも知れませんが
・砂糖の偉大さを実感できる
・挽いてペーストにした時との違いが分かる
という2点で絶大な効果を発揮する(と個人的には思います)。
食べたのは先ほど解説したT2とA5の2種類ですが
面白いのはニブそのものの時よりも
チョコレートの方が花のような香りがひきたっていること。(ニブとチョコを交互に食べるとよく分かります。)
ニブだけだと香ばしい感じが強いですが
ペーストにして砂糖を混ぜることによって
本来の香りがより引き出されていることが分かります。
④豆を裁断し、その場で挽いたものを食べる 豆を裁断する機器で、実際に豆を2つに割ると
だいたい焦茶色なのですが
ときどき紫色のものも混ざっています。
紫色だと発酵が不十分で、種の苦味や渋味が残っているそうです。
(下の写真の一番手前の豆がそれです。)

専用機器で豆をペーストにしたものを食べます。
ぴちぴち新鮮なカカオペーストを体験できます。
これがウワっと声を上げるくらい、刺激的な芳香を放っています。
味もニブの時のような香ばしさはなく、苦味と渋味が強め。
砂糖を入れようと考え出した人に、あなたは天才だ!と叫びたいです。
以上で作業は終了し、最後にチョコ&カカオ農家に関するお話がありました。
チョコレートは豆が命!
品質の6割は豆の品種、発酵&乾燥、気候&土地で決まる。
これらはすべてカカオ原産国での工程になるが
現状ではカカオ豆は量に対してお金が払われるシステムになっており
コーヒーのように高品質なら高価格で買い取ってもらえるわけではない。栽培の難しい香りの良い品種を作って、きちんと発酵・乾燥させても
採算性重視で香りの弱い品種を作って、適当に発酵・乾燥させても
値段が同じなら、生活が逼迫している農家は後者を選んでしまう。
美味しいカカオを作る農園の人々、
その素材を大事にチョコレートに加工する人々が
誇りをもって働き、しっかりした対価が払われる環境になるよう
日本の消費者も意識して欲しい。こんな感じのお話だったと思います。
楽しい作業の後のシリアスな話で、とても説得力がありました。
良いものを作るには、良い環境が必要。
商品の品種や味だけではなく
それができるまでのストーリーも
深く理解しながらチョコレートを味わおうと
改めて感じました。
過去記事 カカオ豆(シエラネバダ産)
http://voyageurdechocolat.blog.fc2.com/blog-entry-438.htmlカカオハンター
http://cafecacao.co/
- 2015/02/04(水) 13:17:48|
- 講座・イベント
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2