Voyageur de chocolat ~至福のチョコレートを求めて全国横断~

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【ドモーリ】 100%とイルブレンド

ドモーリクリオロ&イル100
ドモーリ の 100%とイルブレンド

カカオ・チョコレート業界に革命を巻き起こした「ドモーリ」
エレガントな香りを極め続ける、こだわりの詰まった板チョコブランドです。
今回ご紹介するのは、異なる品種の豆がブレンドされた3種類。
クリオロ種を使用した「クリオロ」、トリニタリオ種を使用した「イル」 2種類の100%と
「イル」を70%カカオマス+30%砂糖でチョコにした「イルブレンド」です。
詳しいブレンド内容はコチラの記事から(クリックでジャンプします)

・クリオロ100%(写真上)
黄色がかった明るめの茶色い板です。
羽が生えたように柔らかく澄みきった苦味。
そこから、ほんのり甘味が沸き上がってきます。
アーモンドを思わせる香ばしい匂いと
バターのように溢れるふくよかな旨味。
驚くほどのまろやかさ!
傷一つない完璧な球体を彷彿とさせるような孤高の逸品です。

・イル100%(写真左下)
赤色がかった暗めの茶色の板です。
ふんわりと漂う洋酒のような深い香り。
エレガントでフレッシュ&フルーティな香りがどこまでも続きます。
キレのある美しい苦味と、溢れ出る旨味。
胡蝶蘭のように優雅で大胆な逸品です。

・イルブレンド70%(写真右下)
赤色がかった明るめの茶色の板です。
カカオのエレガント指数は全開なまま、キュンっとくる甘味がプラスされるので
「チョコレート」という食べ物だ!という安心感もあります。
カカオという植物の力強さをしっかり感じられる濃度。
なおかつエレガントという言葉を具現化したような、フローラル&フルーティな香り。

イルブレンドは甘味の強度が絶妙で、
カカオペーストの苦味が緩和されほとんど感じられなくなる
ぴったりのラインだと私は確信しています。
ジャンルーカに会った時に彼が連発していた「コンプリメンタ!」
という言葉がまさにしっくり逸品です。
ドモーリクリオロ&イル1002

私は基本的に、シングルオリジン(単一品種)信仰者ですが
ドモーリの100%とイルブレンドは別格だと思います。
ヴァローナやアメデイなど、カカオが活き活きと輝くチョコを
絵画に例えることがありますが
ドモーリの放つ香りは、どちらかというと彫刻的。
黄金比の隠された美しい女性の石像だと勝手に解釈しています。
まだ挑戦していない方は、是非この3つも食べ比べてみて下さい!

解説
最高品質のチョコレートは苦味がない!とカカオ好き的には信じているのですが
時折味覚がおかしいと突っ込まれることがありますので、詳しく解説します。
恐ろしく変態的な長文なので、以下、ご興味のある方専用ゾーンです。

ドモーリのチョコレートに感じる苦味は、雑味がなく限りなくまろやか
と表現した方が分かりやすいかもしれません。
苦味がない=あくまで他社の100%と比較した結果であり
実際、食べ物としての苦味はあります。
手っ取り早く苦味の違いを体感したい場合は
純ココアパウダーと比較すると分かりやすいでしょう。

苦味同様、混同しやすいのが酸味や渋味。
人間の舌はどれか一つの味覚だけ抽出できるわけではなく
香りの種類や強度でもだいぶ感じ方が変わります。
ベリーやみかんの香りがしたら酸っぱい気がするし、
ブドウの香りがしたら渋い気がするものです。
またその逆もあり得ます。

味覚と嗅覚に関する著書や資料をいくつか拝見しましたが、
香りが味覚に与える影響はだいぶ大きいので、
匂いが味の感じ方に深く関与しているケースの方が多いでしょう。
味覚は感情+経験や知識にも大きく左右されるので
他の人と意見が異なることに神経質になりすぎない方が良いと思います。

私は判別に加えて、誰かに伝えるスキルを伸ばすため
酸味や渋味の代表格と思しき食物を脳がインプットするまで食べるようにしています。
高級品と廉価品どちらも。果物がおすすめ。
なぜなら、誰かに言葉で表現するときに共感を得やすいからです(笑)
甘味は果物に加えて砂糖類(人工甘味料含む)やシロップの食べ比べによって得るものも多かったです。

苦味は耐性が付きやすく、だんだん感じなくなります。
知らぬ間に感じ方が変わっているので軌道修正が必要です。
さらに苦味と一口に言っても種類が存在することを理解するため
また業界構造も類似しているため、コーヒーの知識があれば必ずプラスになります。
(ジャンルーカの作成した味覚表も、SCAA米国スペシャルティコーヒー協会で
利用されていたものを元に作られたそうです。)

チョコレート同様、発酵がなされているお酒(洋酒・和酒どちらも)飲み比べておくと楽しくなります。
お酒が苦手なら、チーズや味噌など熟成・発酵食品の食べ比べが効果的です。
食べ合わせの知識も若干広がるので、外食時の会話も弾みます。

食べたことのある物の種類自体が相対的に少ないと
そのチョコの表現に使用できる言葉も限られる
ただ、専門的になりすぎても伝わりにくい。
しかも食べ物の名前を羅列されても
一般的に、脳内でミックスして思い描けるのはせいぜい3~5種類程度。
誰むけに、どの程度まで伝えるか・・・でも選ぶ言葉は変化します。
最終的には、伝える力=想像力であり人間力そのものだと思います。
知識や体験はそれを補い、説得力を持たせるものであり
いずれも磨き続ける必要があると感じます。

もう一つ、大切な環境というファクターに関しても触れておきます。
適当にモグモグしても、ある程度の傾向は理解できますが
やはり頭の冴えてる午前中(もしくは自分でここと決めた時間)で
体調の良い日に、ひとり集中できるリラックスした空間でテイスティングしています。
チョコレートは開封したばかりの、賞味期限が似たものを、なるべく同じ温度で。
できる限り公平に公正に接することにしています。
また運悪く管理の行き届いていないものに当たっても、よほどの怠慢と悪意を感じない限りは
製造者が作りたかったのは本来こういう味だっただろう、という脳内補完をします。
チョコを通して、製造者と会話をするイメージです。

ちなみに私自身、そんな生活を3年続けてきましたが、
条件を整える方が、チョコレートの味を見極めるよりもずっと困難です(笑)
しかし、同じ味に巡り会えるとは限らない
さらに、生産者や製造者が自らの生活をかけて作っている作品を食べる
そして、自分の大切なお金と時間を費やしている
などなど総合的に判断した結果、それがベストの選択だと思いました。

何よりも最高のコンディションで、美味しいチョコレートを味わった時の感動は、忘れ難いものです。
チョコレートがあまりに美味すぎて部屋で絶叫した経験は何度もあります。
(アメデイやアケッソンズ、デュカスにパンプストリートにルルー、ミッシェルクルイゼルにプラリュ・・・
感動と共にチョコの味や香りが脳に焼き付いています。)
生まれて初めてドモーリを食べた時、一瞬時が止まって、その後絶叫した記憶があるのですが、
多分あの時の快感がクセになって、今日に至ります。
もはやギャンブル依存性のようなものです(笑)

廉価品には均一という安心感があり、価格の優位性があり、広く社会に貢献しています。
高級品には希少性があり、品質の保証があり、伝統や歴史的に見ても
守られ大切にされるべき宝です。
どちらに分類されるにしろ、美味しいかどうか決めるのは
自分自身だということを常に忘れないようにしています。
私の信条は、あくまでもパッケージはパッケージ、中身は中身。
一番に求めているのは、カカオの品質と作り手の情熱。
骨董品と同じで、分からない人にとっては、なんの意味も価値もないことです。
自分の味覚を疑う気持ちと、製品自体を分析する冷静さ
両方のバランスを取りながら、判断がブレないように心掛けています。

高級品の真の意味での良さが分かれば、廉価品の有り難さも感じられます。
グレーゾーンを漂うリスクの高い一時的なもの(宣伝文句・商品解説と品質が一致していないもの)
が大量に販売されていることは否定しませんが
それらは、商品やその原材料を知るきっかけとして必ず通る道であり
食べて素直に美味しいと感じたのならば、
それが今の自分にあっているし、必要なものだと思います。
そこから道を究めるかどうかは、自分とその商品の縁次第です。

以上が、私の体験が大部分を占める、あまり科学的根拠のない解説です。
誰かと同じものを食べて、同じように感じ、
「美味しいね」と笑いあえることは
奇跡に近いことなんだと最近感じるようになりました。
そんな人に出会えたのは、チョコレートのテイスティングを続けていたからかも知れません。

チョコの香りに運命を感じたら、是非、カカオにも目を向けてみて下さい。
予想以上に広く、過酷ですが、楽しい世界が広がっていると思います。
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  1. 2016/01/22(金) 14:54:47|
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